問題行動の原因除去による事故防止対策
一般的に認知症の利用者様の問題行動とは暴言、暴力、奇声、独語、徘徊、物集め、便いじり、介護拒否、経管抜去などがあげられます。しかし利用者様の長年の生活環境と現状の環境を考えたとき、その異常に見える行為が利用様にとっては当然であることも考えられます。
永い間一人で生活してきた人には、一日中独り語を言っている人もいます。
私たちも独りで暮らしていれば、無意識に自分に話しかけたり独り言をいったりします。また、聴力が全くない利用者様に対して、いきなり介助をすれば手を払いのけることがあります。このような行動に対して「認知症の問題行動」と一言で片付けてしまうことは、その人の人権を尊重すべき立場から考え方を見直す必要があります。事故防止のための対応が必要な問題行動のある方に対しては、施設内の事故苦情処理委員会や介護職員会議において、対応を協議しながら業務に徹することにしています。
認知症の問題行動とは大きく三つのタイプに分けることができます。
(葛藤型)
老いた自分の生涯に対して受け入れることができず、若い時の自分に戻ろうとしても老化は克服できないため、そのギャップの中で葛藤が起き、特に若い頃に高い地位にいた人や、独力で人生を切り開いてきた成功者などの男性に多く見られます。
このような方は情緒不安定となる方が多く、落ち込んだり機嫌よくなったり、ころころ変わり時にはひどく暴力的になります。もし同情したり子供扱いすると「俺をバカにするのか」と怒ったりします。つまり若い頃のプライドが自分から抜けきれないので、特別扱いはできませんが、一目置かれているという満足感を与えてあげることが大切です。
(回帰型)
老いて障害を持ってしまった悲惨な自分を受け入れることができず、過去の一番良かった時代の自分に戻ろうとします。これは目立たず地道に生活を築いてきた人に多いタイプです。男性は働き盛りの頃の自分に戻り、女性は育児で充実していた時期に戻ることが多いと言われています。
このような方の問題行動の多くは見当識障害と徘徊です。今日は何日で、ここがどこで自分が誰で、周りの人が誰だか分からなくなります。また、男性は「会社に行かなくちゃ」とか、女性は「子供が帰ってくるからご飯の支度をしなくては」とウロウロ出て行こうとします。
これを無理をして現実に引き戻そうとしないことです。現実の自分が苦しんで逃避しているのですから、苦しいし現実に引き戻されて嬉しい訳がありません。このような方に対しては、その人が戻ろうとしている過去を認めてあげることが一番良い対応になります。
しかし、その方が戻ろうとしている過去と現実は異なるので、その人の要求を受け入れつつ、時間をかせいだりして何とか現実への対応に戻すことが必要です。
(遊離型)
老化してしまって障害を持っている現実の自分を切り離し、自分の世界に閉じこもることで自分を守ろうとするタイプです。戦前の女性に多く見られるといわれており、「何でも親の言う通り、夫の言う通り」に人生を歩んできた方が、このタイプに多いと言われています。
自律的な気持ちが確立されていないため、現実を逃避し無気力・自閉になりやすいと言われています。
このような方は、人とも交わらず静かにしていることが多いため、問題行動があるとは思われませんが、特徴的な問題行動はひとりごとです。一日中自分に話しかけてブツブツ言っているうちは良いのですが、遊離が激しくなると食事にも興味を示さなくなり生命に関わる問題を引き起こします。
自閉になっていても、外界との接触をなくしている訳ではありません。ですからレクリェーションに参加させると、いつの間にか夢中になっていることもあります。自然に身体が反応し、自閉の世界から現実の世界に戻ることもありますから、レクリェーションを見てもらうだけでも効果が出てきます。
このように認知症の方にはさまざまなタイプがありますので、それぞれの方の問題行動を分析して、その対処方法を検討しながら適切な介護サービスに心掛けております。
信頼される福祉施設の向上を目指して
いま日本の高齢者福祉・介護の現場は、必要最低限の介護サービスすら危ぶまれる「介護人材不足時代」になっています。8年後の2025年には要介護者は755万人に達することが予測され、それに対して必要な介護従事者は現状でも100万人が不足しているとされており、社会保障施策においてこの介護人材需給計画を確立しいくことが、緊急の大きな課題となっています。また、社会保障制度の改革推進の中で「地域包括ケア」の確立は、費用負担や地域の事情等でさまざまな問題を抱えています。
高齢者は住み慣れた地域で、できるだけ長く暮らし続けることを目指していくために、在宅サービスの充実が望まれているところですが、小規模な施設や事業主体が乱立している中で、サービスを連携できる中心的施設が必要とされており、地域包括ケアの拠点づくりに対して特養施設の役割が重要視されています。しかし、約半数の社会福祉法人が、これに応えていくだけの能力を備えていないことも指摘されており、国民のニーズに応えられる挑戦型社会福祉法人と、先進的介護にも取り組まない社会福祉法人とに2極化されていることが指摘されています。
当施設としてもこれからの取組みの中で、地域高齢者の自立支援や生活困窮者支援にも積極的に取り組んでいくよう目標を定め、さらに魅力ある介護福祉施設として制度改革にチャレンジしていきたいと思います。
これからの社会福祉の姿
2025年には団塊の世代がすべて75歳を超える後期高齢者となります。
現在1500万人の後期高齢者人口が7年後には2200万人となり、国民の3人に一人が65歳以上、5人に一人が75歳以上という超高齢社会を迎えます。その結果、介護費も増高し、社会保障財源がますます窮迫することから、国では消費税の増税に依存することによって、介護保険制度の存続をしていくという施策を求めていますが、経済の動向と国民生活の向上が、これから先どのように変化していくかによって、社会福祉施策も大きく変わっていくことが心配されます。
それ以上に深刻になると言われているのが働き手不足です。特に介護職員については厚生労働省の推計によりますと、2025年には介護職員38万人の不足が予測されます。
ただでさえ福祉は3K(きつい、きたない、きけん)の職場と言われて、若い年代層から敬遠されていて、ますます職員不足になるという悲観的な予測が出ているのは、これからの高齢者介護に深刻な問題となっています。
8施設レクリェーション交流会
11月16日(木)7施設の利用者の方々にお集まりいただき、口腔体操、模擬店、各種ゲームで楽しみました。
紅葉ハイク
11月25日(土)若草公園にて紅葉ハイクを楽しみました。
12月の行事計画
1日(金)選択食7日(木)誕生会
9日(土)餅つき慰問(藤和会様)
12日(火)かすみ台第三保育園お遊戯会
15日(金)選択食
16日(土)消防訓練
18日(月)理髪(2階)
19日(火)ドッグセラピー
22日(金)寿司の日
23日(土)「天皇誕生日」
クリスマス・忘年会
25日(月)理髪(3階)
1月の行事計画
1日(月)「元旦」6日(土)初詣(御嶽神社)
7日(日)七草粥
8日(月)「成人の日」
9日(火)誕生会
10日(水)利用者と施設長の対話
11日(木)鏡開き
12日(金)選択食
15日(月)理髪(2階)
16日(火)ドッグセラピー
19日(金)寿司の日
20日(土)「大寒」、消防訓練
22日(月)理髪(3階)
26日(金)選択食