平成30年9月号

特養入所者の要介護状態の変化

特養施設に入所されている方の平均要介護度の推移では、介護保険制度が発足した平成12年度当初は、全国平均の要介護度は3.3であったものが、平成16年度は急激に上がって3.7となり、現在では3.9になっています。

これは平成27年4月から施設入所基準が要介護3以上となったためで、施設入所者の重度化が進み、平均在籍年数では約3年6か月と短かくなってきています。青梅療育院の平均在籍年数は4年7か月となっていますが、その中には15年以上在籍の方が4名いらっしゃいます。

全国の施設における日常生活自立度では、重度化の傾向によって要介護4と5の方が約4割に達しており、その中で寝たきり状態の割合も増加の傾向となっている状況から、施設における行事や屋外活動などが出来ない施設が増えてきております。

当施設では可能な限り従来から続けてきた行事計画を、利用者様の健康状態や身体機能の現状を充分把握したうえで、安全面に配慮しながら行事計画を進めていくことにしています。

職員のストレスチェックについて

平成27年12月の労働安全衛生法の改正によって、職場における労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて、職場における職員の安全と健康を確保するよう努めなければならないと定めています。その中で職員が50人以上の事業所においては、厚生労働省令で定めた医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を行わなければならないと義務づけられました。

この法律に基づいて、より良い職場環境づくりを進めていくために、全職員を対象に外部医療機関に委託してストレスチェックを行っております。

特に高齢者介護事業は、要介護度の比較的高い方の日常生活を支援させて頂く業務であることから、精神的・体力的負担が高く、常に安全面に気を配りながら業務の遂行が求められているため、人権尊重にもとづいた高い技能が要求されています。

いま介護職員が不足している環境において、利用者様に常に満足を与えられるような介護サービスが提供できているのか。多くの施設においても疑問を持っていることと思います。そのような労働環境の中で、職員の不満や組織の課題などを再確認して、少しでも改善に向けた対策を立てるために、職員個々の精神的チェックを行って、課題の発見・改善に努め、介護業務に対する職員の意志徹底を図っていくことにしています。

ストレスチェックに関しては次のような内容で調査を行うことになります。

(1)心理的な問題として、自分の仕事に負担を感じ、必要以上に不安や恐怖を感じイライラしたり無気力になってしまい、仕事に苦しみのみを感じてしまう。

(2)身体的な反応として、よく眠れない、疲れやすく頭痛やめまい、ふらつきなどで食欲減退や体調の変化が続き、下痢・便秘などに悩まされる。

(3)行動面の変化として、遅刻や欠勤が増えたり、仕事の判断がにぶくなり、酒やタバコの量が増え、人を避けたくなる。

 このような症状にもとづいて、個人が申告を行い外部の医療専門機関によって点数が付けられ、基準値以上の職員に対して検査等の指導が行われることになっています。併せて職場における業務内容の見直しや、労働環境の改善に対する指摘も行われることになります。

平成30年上半期(1月~6月)における介護老人福祉施設の収支状況

今年上半期の介護老人福祉事業における倒産は、全国で45件になったとの発表がされました。本年4月の介護報酬改定は0.54%のプラス改定でしたが、介護人材不足等による過当競争が続くなかで、小規模事業者等の厳しい経営環境が続いているのが大きな原因となっているようです。

倒産した介護事業者は小規模で設立5年以内の事業所が過半数を占めていて、介護職員の深刻な人材不足によって、今後も介護事業者の淘汰が加速していく心配があり、介護保険事業の今後の在り方をしっかりと見直していく必要があると思います。

倒産した原因として上げられたものには、介護職員の人手不足によるものが36件で、次に代表者や幹部役員の死亡、入院による引退などによって、後継者が不在となった場合などとなっています。

また、全国の特養施設で事業収支がマイナスとなった施設は38%となっていることから、今後もますます厳しい事業運営に対処していかなければならないと感じています。

介護職員の離職も人材不足の原因か

厚生労働省所管の介護給付費分科会による平成29年度介護従事者処遇状況調査において、介護人材不足の原因を調査しましたところ、離職も増加してきており、その主な原因について次のような回答がまとめられています。

介護老人福祉施設を辞めた理由(介護福祉士を対象)

①仕事の内容や職員同士の人間関係に問題があった     22.3%

②結婚・出産・育児・家族の介護で続けていけない     19.4%

③事業所の運営方針が定まっていない。経営不振で先が不安 16.4%

④心身の不調や腰痛などでこのまま続けていくのは無理   14.7%

⑤基本給が低く労働に見合う賃金ではなく生活がきびしい   9.5%

⑥行く先を考え他の経験や新しい資格を取得するため     6.6%

⑦利用者様やご家族に対して問題を発生してしまった     1.1%

⑧その他、家族の転勤・転居・人員整理・定年退職など   10.6%

この統計結果から介護職員の賃金に関しては、確かに不充分な課題点がありますが、むしろ職員個々の仕事に取り組む姿勢として、献身的に業務に集中するタイプに反し、周囲の状況を判断しながら日課業務を消化するというタイプによって、仕事の行動に不満が生じたりして、同じ職場で一緒に働けないという意識が高まり、離職するという職場環境にも原因があると思われます。

業務の内容が利用者様の生活環境の向上を目指している訳ですから、介護業務は製造業務と異なって個性の出し方、努力によって業務が成り立っていくことから、どうしても職員個々の能力や職務に対する姿勢に重点が置かれることになります。

当施設においても本年度の運営方針として、新たな目標に向けて職員全体のスキルアップを図り、専門的知識をさらに高めて組織全体の技能向上に取り組んでいくよう努めています。

納涼模擬店:8/11(土)

今年も施設内で恒例の納涼模擬店を開催しました。

利用者様それぞれご希望の景品を手にされ、とても喜んでいただけました。

納涼模擬店(H30)

敬老会の御案内

下記のとおり開催いたしますので多数の皆様のご来場をお待ちしております。

 

   ・日 時 平成30年9月15日(土)11時30分~13時30分

         11:30~11:55 長寿祝いの会

         12:25~13:30 演芸

   ・会 場 青梅療育院 食 堂

   ・演 芸 「青梅市青少年吹奏楽団演奏」

9月の行事計画

6日(木)誕生会         
7日(金)選択食         
15日(土)敬老会         
16日(日)八雲神社神輿来院(予定)
17日(月)「敬老の日」             
      理髪(2階)
18日(火)ドッグセラピー(予定)
21日(金)選択食
24日(月)十五夜茶話会
      理髪(3階)

10月の行事計画

6日(土)運動会         
9日(火)誕生会         
12日(金)選択食         
16日(火)ドッグセラピー(予定)  
22日(月)理髪(2階)
26日(金)選択食
29日(月)理髪(3階)
31日(水)日帰り旅行 

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