平成31年2月号

国における老人福祉施設職員の処遇改善への動き

10月に予定されている消費税の2%増税にあわせ、厚生労働省では介護職員の処遇改善について検討が進められており、特に一般的な労働賃金に比べて低額と言われている介護施設の賃金改善を、社会保障審議会で議論を重ねており、介護人材の不足が続いている労働環境の改善に向けて検討が進められています。

こうした処遇改善については、消費税の増税に伴う介護報酬単価の改定が予定されていますが、現在国で出されている方針として、介護人材を増やしていくためには介護未経験の方に基礎知識を習得していただき、介護業務の入門的な知識・技術のための研修を導入して、中高年者などにも介護への参入を促進するなどして、介護人材確保を図る案が検討されています。

一方で介護福祉士の資格を持ち勤続10年以上の職員には、月額8万円相当の処遇改善を行うことが閣議決定されており、その財源として毎年1千億円の予算計上がされることになっています。この方針については施設の中において不均等な処遇改善が行われることになるため、施設全体のバランスを図りながら改善を行うよう全国老人福祉施設協議会でも国に強く要請しています。

介護職員の処遇改善については、これからますます介護職員の確保が必要となることから、介護現場で長く働くことができる環境づくりや、賃金面での改善などを重点化しつつ、施設内において介護職員のみ一方的な処遇改善を行うのではなく、他の職種の職員にも一定程度の賃金改善を行うような方向性を国に働きかけており、この方針見直しに関しては、介護の現場は他の職種とのチームワークによって成り立っており、介護職員以外の職員にも相応の評価ができる仕組みにすべきだとの声が多く、厚生労働省では各法人施設の判断で介護支援専門員、生活相談員、看護師、栄養士、機能訓練指導員事務員、調理員などにも一定の改善加算ができるよう方針を了承しています。

これにより10月の消費税率の改定と同時に介護報酬単価の改定が行われることになりますが、それに伴って利用者様の日額自己負担も増額が見込まれることになります。

現在のところ社会保障審議会の介護給付費分科会で審議中であり、どのような見直し案が示されるのか8月頃には明らかになると思われます。

なお、処遇改善加算は介護職員のみを対象としていることから、別の加算条件によって他の職員にも改善加算が配分できるよう方針が出されています。

現在までに検討がされ出されている方針としては次の様になっています。

(1)職員処遇改善加算の見直し

   新しい経済パッケージにおいて言及されている介護職員の更なる処遇改善は、経験・技能のある職員への評価の見直し、介護職員以外の職員も含めた柔軟な運用という観点を、どのように費用化するかが検討事項であり、その方向性を明確にしていく。

(2)消費税増税に伴う介護報酬改定見直し

   介護報酬本体の増税の対応として、平成26年度における消費税8%の対応と同様の単価増が行われる見通しとなっている。(国では年間約1千億円の予算を計上することになっています。)

(3)基準費用額への対応

   利用者様が負担する食費・居住費等の基準費用額及び補足給付、区分支給限度基準額については、平成29年度の介護事業経営実態調査や、介護給付費等実態調査等を用いて検討することとしており、特に食費については平成17年10月の改定以降は変更されていないため、消費税8%増税時に遡及して見直すべきとしている。

(4)加算の取得要件

   介護現場で長く働き続けられる環境づくりを目指す観点から、職員に対しては一定の技能経験や研修体制が構成されていることが加算の条件となり、その質量によって高く評価されることとなる。

(5)各加算率の改定

   介護職員の確保に向けた処遇改善を一層進めるとともに、人材定着にもつながるよう経験・技能のある介護職員が多い施設を重点に、高く評価するよう考えていくこととする。

利用者様の生活安全を支えるリスクマネジメント

利用者様が個人の尊厳・幸福追求の権利を有していることは憲法第13条でも基本的人権として保障されており、生きがいの提供、知る権利の提供の問題などに関して、施設としては利用者の立場に立って対応していくことが求められています。

施設は利用者様にとって「健康を含めた身体的に安全な場所」でなければならず、体力的に弱者と言える常時介護を必要とする高齢者の生活を支援しているわけですから、常に安全な場所であることは当然であると思われています。しかし、施設内で災害や事故が発生しますと犠牲者は多くなり、大事故に発展する可能性があります。また食中毒の場合でも集団感染によって同様のことが考えられます。

このような事故は起ってはならないものであり、そのために「リスクマネジメント」の必要性が問われており、日常的に発生すると考えられる転倒などの事例を見ても、施設内では大きな問題に発展する可能性があり、常に安全配慮義務に対する注意義務が課せられています。

高齢者の多くが転倒などの事故で負傷しますと、自己回復力が低いために機能訓練を行っても事故前のように回復することは困難で、場合によっては車椅子生活になることが多くなってしまいます。

施設は利用者様にとっては精神的に安全でなければならないと義務づけられています。限られた場所で毎日の共同生活をされている訳ですから、場合によってはちょっとした事で感情のいさかいが起きたりすることもあります。利用者の皆様はそれぞれの人生において長い間、社会や家庭環境の中で暮らしてきましたが、施設内で画一的な介護サービスを受けながら、他人と一緒に生活する訳ですから、ある程度のトラブルや不快感が生ずるのが仕方ないかも知れません。

一方で介護支援を行う職員の中にも、利用者様に対する不平等扱いなどの問題が指摘されることがあります。職場の仕事に慣れ、利用者様にも親しくなってくると、仕事とは言え心の緩みなどから、つい雑な対応をしてしまうことが出てきます。また、無意識に利用者様の要求に対して「あとでね」と無視してしまう場合もあり、そうした心の油断から事故が発生することが多いと言われています。

利用者様は無視されたことを敏感にとらえ、不満や不信感を持ち苦情が生じてきます。限られた職員配置の中で多忙な業務を抱えていることから、ある程度は止むを得ないことがあるかもしれませんが、これがトラブルの原因となることに注意して、これからも事故発生を極力減少し、安心した生活の支援が続けられるよう職員全員で適正な業務の徹底を図ってまいりたいと思います。

初詣

1月9日(水)北風の強い寒い日でしたが、皆様お賽銭を投げられた後、揃って手を合わせられていました。その後おみくじの結果で盛り上がり、温かいお茶とお茶菓子で一年の幸せを祈りました。

初詣

2月の行事計画

 3日(日)節分        
 6日(水)誕生会        
 8日(金)選択食       
 9日(土)消防訓練          
18日(月)理髪(2階)
19日(火)ドッグセラピー(予定)
22日(金)選択食
25日(月)理髪(3階)

3月の行事計画

 3日(日)ひなまつり茶話会   
 7日(木)誕生会        
 8日(金)選択食       
 9日(土)消防訓練         
18日(月)理髪(2階)
19日(火)ドッグセラピー(予定)
22日(金)選択食
25日(月)理髪(3階)

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