平成29年2月号

信頼される福祉施設の向上を目指して

いま日本の高齢者福祉・介護の現場は、必要最低限の介護サービスすら危ぶまれる「介護人材不足時代」になっています。8年後の2025年には要介護者は755万人に達することが予測され、それに対して必要な介護従事者は現状でも100万人が不足しているとされており、社会保障施策においてこの介護人材需給計画を確立していくことが、緊急の大きな課題となっています。また、社会保障制度の改革推進の中で「地域包括ケア」の確立は、費用負担や地域の事情等でさまざまな問題を抱えています。 

 高齢者は住み慣れた地域で、できるだけ長く暮らし続けることを目指していくために、在宅サービスの充実が望まれているところですが、小規模な施設や事業主体が乱立している中で、サービスを連携できる中心的施設が必要とされており、地域包括ケアの拠点づくりに対して特養施設の役割が重要視されています。しかし、約半数の社会福祉法人が、これに応えていくだけの能力を備えていないことも指摘されており、国民のニーズに応えられる挑戦型社会福祉法人と、先進的介護にも取り組まない社会福祉法人とに二極化されていることが指摘されています。

 当施設としてもこれからの取り組みの中で、地域高齢者の自立支援や生活困窮者支援にも積極的に取り組んでいくよう目標を定め、さらに魅力ある介護福祉施設として制度改革にチャレンジしていきたいと思います。

平成28年度福祉サービス第三者評価事業の審査公表

平成15年度から継続して実施している第三者による事業評価は、東京都福祉サービス評価推進機構が定めている共通項目にもとづいて、第三者評価機関によって施設の事業全体の業務評価について受審しました。50項目の業務内容について審査を受けましたが、評価の講評として「特に良いと思う点」と、さらなる改善が望まれる点」について次のような講評がされました。この評価結果をさらに充実していくために、職員全体で取組んでまいります。

〔全体〕の講評

 特に良いと思う点

(1)できる活動に注目し、生活リハビリの支援に取組んでいます。

 毎週2回機能訓練室で、多種類の訓練器具の中から利用者に合った器具で訓練に取り組んでいます。できる活動に注目した生活リハビリの訓練指導を受けています。例えば介助バーを利用してトイレやベッドサイド調整で立位・立ち上がりを促し、移乗ができるよう訓練します。歩行能力がある利用者には食堂、浴室、トイレまでの歩行を促しています。食事では椅子やテーブルの高さを調節し、自助具を使用して自己摂取ができるよう、また、趣味活動に機能訓練を取り入れ、おりがみやちぎり絵を楽しみながら、それぞれ訓練を行っています。

(2)地域と強い絆が結ばれ、利用者の生活の幅を広げています。

 近隣の小学校6年生全員が、毎日下校時に5~6人で施設に来所し清掃活動を行っています。この活動は30年目になり、高齢者福祉の社会体験として東京都でも貴重な取り組みとして注目されています。

 また、地元自治会の協力による納涼会や餅つき大会の開催、保育園児のお遊戯会の観賞、老人会のクラブ活動と連動した文化祭の開催など、地域の行事に利用者が参加し楽しんでいます。地域の福祉拠点として住民参加型の介護体験や、認知症予防・介護予防の勉強会なども企画し開催しています。

(3)全職員が年度事業計画の策定に参画し、責任を持って実行する仕組みができています。

 経営理念に始まり、年度運営方針、各委員会の行動計画、施設長以下全員の行動指針に至るまで、組織の根幹となる重要事項が成文化され、年度事業計画に盛り込まれています。年度事業計画の策定は全職員参加の作業です。施設長の基本方針と予算の提示に基づき、各委員会に所属する職員が全員参加で作成に当たり、現場の意向やニーズを計画に取り入れる仕組みができ上がっています。年度事業計画の策定作業に取り組む経営層と職員の一連の行動は、組織の能力を高め、ひいては利用者満足の向上につながると期待されています。

 

さらなる改善が望まれる点

(1)利用者が入浴をゆっくり楽しめるよう、さらなる取り組みが期待されます。

 介護職員会議では、利用者の心身状態に合った安全・快適な環境で、楽しめる入浴方法を検討しています。一般浴室内に椅子を設置することにより、座位の不安定な利用者も安定し安全に入浴しています。入浴剤、ゆず湯や菖蒲湯により、季節が感じられる入浴を楽しんでいます。現状、重度化が進み機械浴の利用者が8割となり、着脱に時間がかかり、十分な時間の確保が難しくなるなどの問題が浮上しています。こうした問題を解消するため、入浴の準備・誘導、着脱・介助、また、職員の研修の見直しなど、多様な視点で検討することが期待されます。

(2)意思疎通困難な利用者の生活を充実したものにしたい。

 入所基準が要介護3以上と限定されたことに伴い、利用者の要介護度が全体に高くなってきています。機能障害や認知症が著しく進行している利用者が増え、より高度な介護技術と利用者に対する個別ケアが必要とされています。現状、100人の利用者を介護職員で介護するという現状の職員体制では、利用者の個別性に対応することが困難な状況と思われます。例えば、職員配置をフロアごとに分けるなど、利用者と職員との関係をより密にし、個別性に配慮した介護が実施できる体制を再構築するなどの検討が望まれます。

(3)ベッド稼働率向上のため、利用希望者などの掘り起こしや働きかけが

期待されます。

 地域に対する福祉用具の貸し出し、家庭での介護に役立つ勉強会の開催など、施設の専門性を生かす取り組みを進め、地域とのつながりを深めてきました。現在、利用者の半数は青梅市の出身者で、地域とのつながりの深さを示しています。一方、青梅市には特別養護老人ホームが多く、入所資格を有する待機者が少ないとみられます。経営の安定にベッド稼働率の維持・向上が重要な条件です。今後、待機者の多い地域の関係機関や医療機関との連携を深め、利用希望者などの掘り起こしや働きかけを強化し、ベッド稼働率をさらに向上させることが期待されます。

ストレスチェックの実施:安全衛生委員会

今年度から「労働安全衛生法の一部を改正する法律」により、「心理的な負担の程度を把握する検査;ストレスチェック」の実施が50人以上の事業場に義務付けられ、メンタルヘルス不調の未然防止に取り組むことが求められるようになり、労働安全衛生法の遵守およびより良い職場づくり施策の基礎的資料を得ること、職員の皆さんにこころの健康についての理解を深めていただくことを目的としてストレスチェックを実施いたしました。

介護課からのお願い

ご家族の皆さま方にはいつも多くのご寄附を頂き有難うございました。

介護課ではフェイスタオル、ハンドタオル、ビニール袋が不足いたしております。

ご不要のタオルやスーパーの袋等がおありでしたら、御面会の際にお持ち頂けると大変助かります。

なにとぞ引き続きご協力をよろしくお願い申し上げます

節分:2/5(日)

節分

2月の行事計画

3日(金)節分
4日(土)「立春」       
7日(火)誕生会        
10日(金)選択食        
11日(土)「建国記念の日」
18日(土)消防訓練
20日(月)理髪(2階)
21日(火)ドッグセラピー
24日(金)選択食
27日(月)理髪(3階)

3月の行事計画

6日(月)誕生会         
10日(金)選択食        
14日(火)藤橋小6年生お別れ会(予定)
17日(金)「彼岸の入り」     
18日(土)消防訓練 
20日(月)「春分の日」、理髪(2階)
21日(火)ドッグセラピー
23日(木)「彼岸の明け」
24日(金)選択食
27日(月)理髪(3階)

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