平成29年8月号

社会福祉法人の信頼性を担保する事業運営の透明性の確保

平成28年3月31日に公布された改正社会福祉法において、「社会福祉法人とは、福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない。」と定めています。

社会福祉法人が経営の適正化と財務規律の確保を目指し、事業を確実に執行していくために、年間の事業計画及び予算を定めて、その有効な効果が実行できるように取り組んでいますが、社会福祉法人は営利を目的とすることは認められず、定められた予算の範囲内で、適正な業務の執行を果たさなければならない責任を負っています。

これは運営資金となる財源が国や都道府県の介護報酬と、40歳以上の国民が負担する介護保険料と、利用者様が負担する利用料金によって成り立っているからであり、事業執行内容の結果については透明性の確保を図るために、公表する義務が課せられることになりました。

また、経営組織の強化を図るために、議決機関として新たに7名の評議員会を置くことが義務づけられ、役員の選任や役員報酬の決定、予算・決算の承認など重要事項を決定する意思決定機関の役割りを担うことになりました。

これによって、社会福祉法人は評議員会が重要事項を決定するための機関となり、理事会は業務執行を担う執行機関となり、お互いに牽制機能を働かせながら、適正な事業運営が達成できるような経営組織に変化してきています。

このような組織改正の理由として、特定非営利活動法人(NPO法人)や株式会社など多様な経営主体が、社会福祉サービス事業への参入がすすんでいることによって、社会福祉のニーズも多様化・複雑化してきていることから税制上の優遇措置を受けている社会福祉法人の経営体制について、組織体制の改善、透明性の確保、財務規律の強化などを求める厳しい指摘を受けていることによるものです。

介護費用負担の改定に伴う入所者及び家族からのご意見

平成27年4月の介護報酬改定によって、施設に入所されている方に「負担限度額要件の変更」と「2割負担の導入」が行われましたが、その影響により負担増となったご家族も多く、さらに平成28年8月に非課税年金収入額(遺族年金・障害年金)も判定要件に勘案されることになったため、入所者皆様やご家族に一層の負担増となっています。

この介護費用負担の改定が入所者やご家族にどのような影響が出ているかを明らかにするため、東京都高齢者福祉施設協議会で調査を実施しましたところ、次のようなご意見が出ています。

1.経済的負担についてご家族のご意見

・収入が少しオーバーしただけで支払いが大きく増えてしまった。年間の 家計収支はマイナスとなり、経済的なダメージが大きい。

・ご夫婦の入所者から、世帯分離で妻が3段階だったが、夫婦とも4段階になったので困る。買い物外出や理美容代などを削らなければならない。

・障害年金があるため2段階から3段階により、利用料金が高くなったため年金では足らず、家族が生活費から一部負担するようになり大変だ。

 ・負担が高くなって困るが、かと言って施設を退所することもできない。

 ・負担が増えるので、もともと貯金からの取り崩しをしていたので、払い続けるのにも限界があり、いつまで入所していられるか不安である。

2.制度の変更について行政に対するご家族の意見

・預貯金まで申告することに対して納得できない。

・毎年条件変更があって混乱する。変更内容の説明文が分かりにくい。

・負担限度額認定制度のほかに利用料金を軽減できる制度があるのか。

・入所している本人の預貯金ならまだしも、配偶者の預貯金まで洗いざらい確認させられるなんて行政の怠慢だ。

.施設に相談されたご家族からのご意見

・費用負担増は致し方ないが、負担増となるなら個室から多床室への異動を希望したい。今後も利用料が上がるのか心配だ。

・障害年金のみ受給の方から、年間の支出が年金支給額を上回ってしまい、今後の負担ができなくなるのが心配だ。

 ・遺族年金も含むようになって2段階から3段階になり、負担が増えてくると支払いが滞ってしまう。

・役所から「昨年と変更ありません」と説明されたのに、負担段階が上がっている。

・制度変更の説明は役所から行ってもらいたかった。制度の改正を知らない方が多く、料金が上がっている理由を教えて欲しかった。

この調査の結果から、超高齢社会に対応する保険給付費の増大に対し、応能負担による自己負担の引き上げにより、経済的余裕のある高齢者には介護サービスの選択肢の幅は広がり、それ以外の高齢者や家族にとっては、既存のサービス利用料ですら生活を圧迫していることが調査の結果から明らかになっています。

 国の介護給付費の増加による財政難が続くなか、制度を維持可能にするための選択肢は限られていると思われますが、負担増に対する高齢者・ご家族介護者への支援及び制度の在り方を早急に検討すべきであると思います。

 なお、次回の介護保険制度の改定は、平成30年4月に予定されています。

迎え火:7/13(木) 送り火:7/16(日)

施設で在院中に亡くなられた方々が、薬王寺にある施設の墓地に納められていますが、苧殻を焚いて諸霊を慰める行事が行われました。

迎え火送り火

マンドリン演奏会:7/15(土) ロハ・マンドリーノ

利用者様のご家族が大学時代に所属されていた「明治大学・明治高校マンドリン倶楽部」のメンバーとともに、マンドリン演奏の慰問とお嬢様によるフラダンスの披露があり、地元老人会の皆様もご招待し、楽しい時間を過ごしました。

マンドリン演奏会

ふれあい納涼会:7/22(土)

晴天に恵まれ、利用者様、ご家族および地域の自治会の皆様や子供会の皆様方と普段できない交流を楽しみ、楽しいひと時を過ごしました。

納涼会

8月の行事計画

4日(金)選択食         
6日(日)土用丑の日       
7日(月)誕生会、「立秋」     
11日(金)「山の日」        
12日(土)納涼模擬店       
15日(火)「終戦記念日」、ドッグセラピー
19日(土)消防訓練
21日(月)理髪(2階)
25日(金)選択食
28日(月)理髪(3階)





9月の行事計画

7日(木)誕生会         
8日(金)選択食         
16日(土)敬老会         
18日(月)「敬老の日」、理髪(2階)
19日(火)ドッグセラピー     
20日(水)「彼岸の入り」
22日(金)選択食
23日(土)「秋分の日」、消防訓練
26日(火)「彼岸の明け」

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