平成29年9月号

福祉人材の確保・定着・育成に向けた取組

高齢者介護サービスは、それを担う職員の働きと質にかかっていると言われています。有能な人材の確保と定着、育成は福祉の生命線であると思います。

しかし、近年、多くの社会福祉法人において、人材不足や介護職員の定着率の低さなどの深刻な状況が続いています。

 今後、日本の労働人口が減少し、一方で超高齢社会によって介護人材の必要数は大幅に増加していくなか、高齢者福祉を支える職員の不足は、社会福祉そのものを揺るがしかねない重大な課題と言われています。

 介護人材の確保が困難と言われる背景には、福祉系の養成専門学校や、大学を卒業しても他の業種へ就職してしまう学生が多いことも原因の一つとなっています。

 労働人口が減少している中においては、福祉業界全体としていかに人材確保に取り組むかという姿勢が重大だと思いますが、人材不足の課題は福祉業界に限ったものではなく、減少していく人口とともに、若い労働力の確保は他の業界も含めた全体の中で、「福祉の業界で働きたい」と思う人材を増やしていくことです。それには各社会福祉法人の人材確保の取組みを、改めて見直す必要があり、人材確保・定着・育成の仕組みを全体の流れとして検討しながら、働き続けたいと思える職場づくりに取り組んでいくことが必要であると思います。

 当施設ではここ数年、介護職員の離職は少なく昨年度は2名の退職者のみで、正職員全員の平均勤続年数も11年7か月となっており、今後も離職者が出ないよう処遇面にも配慮して、常に適正な介護サービスが提供できるよう努力してまいります。

介護職員不足による施設定員割れの危機

2025年には要介護と要支援の認定者は、全国で755万人と推計されています。そのうち認知症を持つ方は470万人に達すると言われています。これに対して介護人材確保は100万人の増員が必要とされています。

 介護人材が枯渇し増員はおろか定員確保が十分にできない状況によって、現在でも最低限の介護サービスを提供することも危ぶまれており、このような状況において国家戦略としての介護人材需給計画を確立できなければ、これからの介護保険制度の信頼が失われていくと心配されています。

 介護人材に関する現状は50%の施設で職員不足を抱えており、施設定員の減少を心配する深刻な事態になっている施設も出てきています。また介護職員の給与については全産業の平均給与32万4千円より10万円も低いとされており、こうした格差是正には国としても改善を図らないと、介護労働力はますます減少していく危険性が心配されます。

 しかし、介護保険事業は全国一律の基準単価にもとづいて給付されているため、人件費を社会福祉法人独自で引き上げることは限界があります。

 魅力ある職場づくりを阻む要因として、平成20年頃から厚生労働省が地域包括ケアシステムの確立を第一に掲げ、地域密着型・小規模多機能化を柱にした介護サービスが優先され、在宅介護に重点を置いた施策がとられてきたために、特養施設の建設が制限され、職員の処遇改善にも充分な対策が図れなかったことにより、介護職員の職場離れによる人材の不足が深刻化したとも言われています。

利用者ニーズを無視したユニット(個室化)の優先に対して

厚生労働省の方針が、新設の施設については原則として個室に限定する政策誘導が図られることになっていますが、ユニット型個室では利用者負担が月額13万円以上となり、国民年金の方は施設入所は現実的に不可能な状況となっています。

 そこで厚生労働省では、施設建設の許可権限を都道府県に委譲したことにより、原則はユニット型個室としながらも、地域の実情に応じて一部を従来型多床室を認めることにしていますが、個室と多床室では建設補助金に格差があり、社会福祉法人の自己負担金も影響することから、いずれにしても建設資金の確保と人材面で、多難な課題を抱えることになります。

 当施設でも開設から35年が経過しており、4年後の改築計画を予定しておりますが、入所されている皆様の自己負担が増額することが心配で、極力大きな負担増とならない計画案を策定していきたいと考えています。

次回介護報酬改定への動き

介護保険制度の改定は3年ごとに行われますが、第7次改定が平成30年4月に予定されており、国の諮問機関である社会保障審議会介護保険部会でその作業が行われています。

 見直しにあたり一番重要な課題は財源となる社会保障費の増高であり、高齢化が進むごとに財源の不足が問題となっており、高齢者人口がピークとなる8年後の2025年に向けて、このまま介護保険制度が持続できるような改定を基本としています。

 社会保障財源については、消費税を10%に引き上げる方針が予定されていましたが、現状の社会経済の動向から困難性が予測されるため、当面は国民の介護保険料増額負担と、介護保険利用者の負担増をどの程度増額していくかが審議の主な課題となりそうです。

介護課からのお願い

いつも多くのご協力を頂き有難うございます。

介護課では排泄介助に使用するフェイスタオル、ビニール袋等が不足しております。ご不要のタオルやスーパーの袋等がおありでしたら、御面会の際にお持ち頂けると大変助かります。なにとぞご協力をよろしくお願い申し上げます。

敬老会の御案内

下記のとおり開催いたしますので多数の皆様のご来場をお待ちしております。

 

 ・日 時 平成29年9月16日(土)11時30分~13時30分

       11:30~11:55 長寿祝いの会

       12:25~13:30 演芸

 ・会 場 青梅療育院 食 堂

 ・演 芸 「青梅市青少年吹奏楽団演奏」

9月の行事計画

7日(木)誕生会         
8日(金)選択食         
16日(土)敬老会         
18日(月)「敬老の日」、理髪(2階)
19日(火)ドッグセラピー     
20日(水)彼岸の入り
22日(金)選択食
23日(土)「秋分の日」、消防訓練
25日(月)理髪(3階)
26日(火)彼岸の明け

10月の行事計画

4日(木)十五夜茶話会      
6日(金)誕生会         
7日(土)運動会         
9日(月)「体育の日」      
13日(金)選択食         
15日(日)消防訓練
16日(月)理髪(2階)
17日(火)ドッグセラピー
23日(月)理髪(3階)
27日(金)選択食

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